いびき防止グッズの効果は?

いびき防止グッズ

薬局で売っているいびき防止薬以外にも、最近はさまざまな「いびき防止グッズ」が市販されています。

 

そのすべてを否定する気はありませんが、市販の「いびき防止グッズ」の中には、首を傾げたくなるものもあります。

 

 

 

 

 

例えば、口をふさぐためのテープが、いびき防止グッズとして売られていたりします。

 

なるほど、理屈からすれば、いびきの人は口呼吸をするクセがありますから、口にテープを貼っておけばいやでも鼻呼吸をせざるを得なくなり、口呼吸になるクセを矯正することになるかもしれません。ま、ここまでは“正解”かもしれませんね。しかし、その人がなぜ口呼吸をしているか、それが問題です。

 

このケースの場合、鼻づまりでやむを得ず口呼吸していることも考えられます。それを治すためにはまず鼻のトラブルを治す必要があります。もし、鼻づまりのトラブルを治さないまま口をふさぐテープをしてしまったら、睡眠中に窒息死しかねません。

 

鼻の病気を治した上で、これまでの口で呼吸する習慣を治すためなら、この口テープも有効だと思います。

 

 

音センサーでいびきをかいたら起こす

 

また、音センサーでいびきの音を感知し、その都度腕につないだコードに弱い電流を流すという、実に乱暴ないびき防止グッズもあります。要するに、いびきをかいたら電気ショックで半強制的に中断させ、いびきを止めるわけです。

 

眠らなければいびきはかかないわけですから、これは実に“合理的”ですね。また「いびきをかいたら電気ショック」といった恐怖が潜在意識に刷り込まれる“学習効果”があるかもしれません。

 

以前、使用された方は「いびきが止まるより完に心臓がしにまってし圭いそうだったので、こわくて使うのをやめた」とのこと。まさか、死に至るはど強い電流が流れるわけではないでしょうが、多少なりとも心臓に負批がかかることはまちがいないでしょう。

 

それに、音センサーが使ってあるとはいえ、それはいびきの音だけに反応する精密なものではないでしょう。つまり、睡眠中になんらかの音がしたら、そのたびにセンサーが反応し、何度も無意味に起こされることになりかねません。

 

もしも、いびきの音だけに反応するようなものがあったとしても、いびきをかくたびに起こされていたら、その人の睡眠の質は非常に悪いものになります。つまり、ただでさえいびきのせいで浅い睡眠が、さらに浅くなってしまうのです。

 

 

そもそも、このグッズの作用機序、つまり、何か身体のどこにどう作用するからいびきが治るというのかが、よくわかりません。

 

慢性的なひどいいびきは、鼻や咽頭の構造異常や内臓疾患など、明確な原囚があるからかくのです。その原因を絶たなければいびきは治りません。いびきのたびに起こすことを何度くり返しても、それだけでいびきの原因がなくなるわけではありません。いびきが「治る」とはとうてい思えないのです。

 

 

隣りに寝ているご主人のいびきがうるさいからと、そのたびご主人の鼻をつまんで起こす奥様がよくいますが、これはまったくの無駄。そんなことでいびきは治りませんし、睡眠の質を悪くすることで、むしろご主人の健康を損なうことになります。「ダンナのいびきがうるさくて眠れない」とお悩みの場合は、はかの対策を講じるべきです(奥様のほうが耳栓をして寝るとか)

 

 

音に反応して動く枕

 

同様に音センサーを利用したいびき防止グッズに、いびきの音に反応して枕が動くという、電動枕の類があります。枕が右に傾いたり左に傾いたりし、それによって寝返りを促していびきを軽減するというものです。

 

これは、腕に電流を流すものに比べたら、健康への悪影響はないでしょう。また、寝る姿勢を横向きにしただけでいびきが軽減するということはたしかにあるので、軽いいびきの場合、多少は効果があるかと思います。しかし、重症のいびきは寝る姿勢を変えたくらいでは止まりませんし、やはり、いびきの原囚を絶つものとはとうていいえません。

 

 

いびき防止用枕

 

軽症のいびきでしたら、仰向けに寝でいた姿勢を横向きに変えるだけでもよくなる人がいます。このような人のために、枕の片側が高く、反対側か低くなっている「いびき防止用安眠枕」が市販されています。この枕だと、自然に寝る姿勢が横向きになるため、これだけでいびきが治ることもあります。

 

 

ノゾベント

 

鼻の入り口が狭く小さい人のためには、プラスチック製の鼻を広げる器具(ノゾベント)が市販されています。鼻の穴に差し込むだけと使用方法が安全で手軽なので、鼻呼吸が十分にできない人は試してみる価値があります。

 

 

ブリーズライト

 

また、弾力材を入れたテープを鼻の上に張ることで鼻腔をひろげる「ブリーズライト」という、いまではスポーツ用品になってしまったいびき防止グッズが売られています。
これは、いびきを根本的に治すことにはなりませんが、一時的にいびきを軽減する効果なら期待できます。

 

ただ、この「ブリーズライト」、どちらかといえば白人向けのグッズだという気がします。というのも、白人の鼻は総じてタテ長で、「ブリーズライト」の効果が出やすい形の鼻だからです。それに対して、日本人の鼻は総じてヨコ長なので、「ブリーズライト」の効果が出にくいのです。「ブリーズライト」がアメリカで発明されたというのもよくわかります。

 

特にアメリカ人は肥満傾向か強いてすから、いびきに悩んでいる人の数は、おそらく日本人以上に多いはずで、いびき防止にグッズの需要も大きいのです。

 

 

 

こういったいびき防止グッズで一時的にいびきを防止するよりも、いびきを根本から改善するためのトレーニングで、しっかりとイビキを治したほうが良いと思います。

 

人生を無駄にしないためにも、しっかりといびきを改善していく事をお勧めします。

 

 

 

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